Entries
2022.11/29 [Tue]
円高?の行方
12日の朝刊に小さいながらも一面に「円急伸、138円台 一日で7円上昇」というタイトルの記事が掲載された。
11日の外国為替市場で円が対ドルで上昇し、一時1ドル=140円を超え138円台まで円高が進んだ。138円台は8月31日以来およそ2カ月ぶり。10日に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)がインフレを抑え込むための利上げペースを鈍化させるとの見方が広がっている。
翌日の解説記事;
急速に膨らんだ円売り・ドル買いの持ち高の解消という点では、今回も98年と似た面がある。巻き戻しのきっかけとなったのは10日に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比7.7%上昇と市場予想を下回り、米国のインフレが収まりつつあるとの見方が広がったことだ。市場では12月の利上げ幅が11月までの0.75%から0.5%に縮まるとの見方が大勢となった。
日米金利差の拡大を見込んで円売り・ドル買いの持ち高を膨らませてきた投機筋が持ち高解消の円買いに動いた。日本の個人投資家も損切りのために円を買い戻さざるを得なくなり、円高・ドル安が加速した。
一時的な投機筋の円の買戻しもしくはドル売りと見ていたが、すでに2週間ほど140円/ドルを挟んでの膠着状態が続いている。

先日さらに議事要旨が開示された。上記は伝聞もしくは解説記事だが、こちらは議事録、とはいえ内容は同じ。
【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)が23日公表した1~2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、大多数の参加者が近く利上げ幅の圧縮を見込んでいることがわかった。FRBは11月まで4会合連続で0.75%の利上げを実施してきたが、12月にも利上げのペースを落とす公算が大きくなった。

ここで取り上げたのは、記事にわかりやすい図が掲載されていたからである(右:拡大図)。図にはわずか2週間前の予測に較べてシミのように0.75%の予想を0.5%に修正しているが、図の印象はむしろ近い将来に米国金利はピークアウトし、現在の金利より低くなるという印象だろう。上に引用した記事は、いずれも急激な円高の要因を、0.75%の予想が0.5%に修正されたためとしか書いていない。
図に間違いや嘘はないが、この図で気になったのが足元の円高と横軸のタイムスパンの関係。
分かりやすいように時間軸を拡大したのが下図。記事の解説に代えて筆者ならこう記述する。「米国の政策金利は12月に0.5%の利上げが想定されているが、来年半ばまで金利はFOMCで毎回利上げを繰り返し、大多数の参加者が現在のところピークレートは現在より1.20%ほど高い5%を想定している。
円の為替レートは日米の金利差だけで決まるものではないが、金利差がさらに1.20%も拡大すれば円はさらに安くなるのはむしろ必然と思われる。足元の円高は少々長いとはいえ投機筋による短期的なアヤに過ぎない(と思う)。さらに貿易赤字が常態化している日本において、円安はピーク(底)を確認したという専門家やXXストを散見するが彼らは何を見ているのだろう。

11日の外国為替市場で円が対ドルで上昇し、一時1ドル=140円を超え138円台まで円高が進んだ。138円台は8月31日以来およそ2カ月ぶり。10日に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)がインフレを抑え込むための利上げペースを鈍化させるとの見方が広がっている。
翌日の解説記事;
急速に膨らんだ円売り・ドル買いの持ち高の解消という点では、今回も98年と似た面がある。巻き戻しのきっかけとなったのは10日に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比7.7%上昇と市場予想を下回り、米国のインフレが収まりつつあるとの見方が広がったことだ。市場では12月の利上げ幅が11月までの0.75%から0.5%に縮まるとの見方が大勢となった。
日米金利差の拡大を見込んで円売り・ドル買いの持ち高を膨らませてきた投機筋が持ち高解消の円買いに動いた。日本の個人投資家も損切りのために円を買い戻さざるを得なくなり、円高・ドル安が加速した。
一時的な投機筋の円の買戻しもしくはドル売りと見ていたが、すでに2週間ほど140円/ドルを挟んでの膠着状態が続いている。

先日さらに議事要旨が開示された。上記は伝聞もしくは解説記事だが、こちらは議事録、とはいえ内容は同じ。
【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)が23日公表した1~2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、大多数の参加者が近く利上げ幅の圧縮を見込んでいることがわかった。FRBは11月まで4会合連続で0.75%の利上げを実施してきたが、12月にも利上げのペースを落とす公算が大きくなった。


ここで取り上げたのは、記事にわかりやすい図が掲載されていたからである(右:拡大図)。図にはわずか2週間前の予測に較べてシミのように0.75%の予想を0.5%に修正しているが、図の印象はむしろ近い将来に米国金利はピークアウトし、現在の金利より低くなるという印象だろう。上に引用した記事は、いずれも急激な円高の要因を、0.75%の予想が0.5%に修正されたためとしか書いていない。
図に間違いや嘘はないが、この図で気になったのが足元の円高と横軸のタイムスパンの関係。
分かりやすいように時間軸を拡大したのが下図。記事の解説に代えて筆者ならこう記述する。「米国の政策金利は12月に0.5%の利上げが想定されているが、来年半ばまで金利はFOMCで毎回利上げを繰り返し、大多数の参加者が現在のところピークレートは現在より1.20%ほど高い5%を想定している。
円の為替レートは日米の金利差だけで決まるものではないが、金利差がさらに1.20%も拡大すれば円はさらに安くなるのはむしろ必然と思われる。足元の円高は少々長いとはいえ投機筋による短期的なアヤに過ぎない(と思う)。さらに貿易赤字が常態化している日本において、円安はピーク(底)を確認したという専門家やXXストを散見するが彼らは何を見ているのだろう。

スポンサーサイト
*Comment
Comment_form