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2023.01/15 [Sun]
ベニズワイガニとズワイガニと毛ガニ
イセエビについて書いたならカニについて記さない訳にはいかない。こうやってブログの記事は増えてゆく。さて、カニと言ったら毛ガニなのだが、北海道でも高価で近年口にすることはなく、もっぱらベニズワイガニ。ベニズワイガニが美味しいと知ったのは2015年と近年のことであり、あまり大きな顔はできないがまずベニズワイガニについて。
昨年夏の北陸旅行の帰りに能生に寄った時と2015年3月に日帰りで能生にカニを食べに行った日のベニズワイガニ。

ベニズワイガニとズワイガニ、見た目もよく似ているし美味しいベニズワイガニはしょぼいズワイガニよりも美味しいので味も似ているというかブラインドで食べたらわからない。だがこの2種類、生態が大きく異なる。一言で言えば、ズワイガニが推進200-400メートルに生息しているが、ベニズワイガニは水深1000-2000メートルの魚を含む水産物としては大深海に生息している。
ゆえに、漁法も大きく異なる。いわば根こそぎ浚うか罠にかかるのを待つかのようなもの。
・ズワイガニ:底曳き網漁(海底に網を入れて船で曳く)
・ベニズワイガニ:かにカゴ漁(かにカゴの付いた漁具を約2日程海底に沈めカニが入るのを待って引き上げる)
カニ漁法模式図
ベニズワイガニと言えば能生、という話は何回か書いてきた。漁法が異なれば船も違うので、能生がベニズワイに特化した港であるのも納得。今回こんなものを発見した。いつの話か分からなかったが、やはり有名な産地であることは確か。

故に新潟県や富山県が主たる産地と思い込んでいたが、今回資料を見てびっくり。普通の人はこんなことでびっくりしないし感動もしないのだろうが、新潟の他に北海道、鳥取、兵庫、島根と4県も同レベルの産地が並んでいた。鳥取は境港で2014年に生まれて初めて食べたのでわかる。ただとても美味しくなかったので、やはりベニズワイガニは二流のカニとその時は思った。

日本海沿岸が生産地であるので、参考までに能生付近の海底地形図。茶色が水深1500メート前後なので、能生付近は確かにベニズワイガニの生息域に近い。

で、ベニズワイガニの近年の漁獲量の推移。全体としては年々捕れなくなっているようだ。

そこで、農林水産省のデータから。毛ガニはその他に分類されていたので北海道水産局のデータを採用、またベニズワイガニ、ズワイガニについては「食品データ館」から近年分を拝借した。65年以上のデータなので漁獲量の変化が一目瞭然。
ズワイガニ、一見オミクロン株感染者の波や先日示したイワシのようなピークを形成しているが、多分ピーク形成の原因はそれらが自然のメカニズムであるのに対し、ズワイガニは1960年代の乱獲とその反動の現れのような気がする(感想です)。ズワイガニ漁は底引き漁法、50年以上昔の高度成長期とあれば節操もなくカニを底引き網で浚った結果、ズワイガニは壊滅状態に陥ったのだろう。
一方のベニズワイガニ、統計は1995年からだが漸減というには少々急な現象が明らか。幸いなことにこちらは大水深ゆえかご量なので、生息数に底引きのようなダメージを与えることはなかったようだ。
最後に毛ガニ。産地は北海道がほとんどで岩手県でも少々捕れるらしい。毛ガニは子供のころによく食べた記憶がある。1960年前後のことで、けっして豊かな家ではなかったから多分ズワイガニのようにたくさんとれて安くもあったのだろう。今やズワイガニの半分以下しか捕れていないのを見てびっくり。毛ガニが美味しいと話しても共感を得ることができないのは、食べたことが無い人が多いためだとわかった。

ベニズワイガニはしばらくはそこそこ捕れそうなので、今のうちに食べておいた方が良さそう。3月になったら能生のカニ屋さんに注文して取り寄せよう。
能生のHPのお知らせ。
昨年夏の北陸旅行の帰りに能生に寄った時と2015年3月に日帰りで能生にカニを食べに行った日のベニズワイガニ。


ベニズワイガニとズワイガニ、見た目もよく似ているし美味しいベニズワイガニはしょぼいズワイガニよりも美味しいので味も似ているというかブラインドで食べたらわからない。だがこの2種類、生態が大きく異なる。一言で言えば、ズワイガニが推進200-400メートルに生息しているが、ベニズワイガニは水深1000-2000メートルの魚を含む水産物としては大深海に生息している。
ゆえに、漁法も大きく異なる。いわば根こそぎ浚うか罠にかかるのを待つかのようなもの。
・ズワイガニ:底曳き網漁(海底に網を入れて船で曳く)
・ベニズワイガニ:かにカゴ漁(かにカゴの付いた漁具を約2日程海底に沈めカニが入るのを待って引き上げる)
カニ漁法模式図

ベニズワイガニと言えば能生、という話は何回か書いてきた。漁法が異なれば船も違うので、能生がベニズワイに特化した港であるのも納得。今回こんなものを発見した。いつの話か分からなかったが、やはり有名な産地であることは確か。

故に新潟県や富山県が主たる産地と思い込んでいたが、今回資料を見てびっくり。普通の人はこんなことでびっくりしないし感動もしないのだろうが、新潟の他に北海道、鳥取、兵庫、島根と4県も同レベルの産地が並んでいた。鳥取は境港で2014年に生まれて初めて食べたのでわかる。ただとても美味しくなかったので、やはりベニズワイガニは二流のカニとその時は思った。

日本海沿岸が生産地であるので、参考までに能生付近の海底地形図。茶色が水深1500メート前後なので、能生付近は確かにベニズワイガニの生息域に近い。

で、ベニズワイガニの近年の漁獲量の推移。全体としては年々捕れなくなっているようだ。

そこで、農林水産省のデータから。毛ガニはその他に分類されていたので北海道水産局のデータを採用、またベニズワイガニ、ズワイガニについては「食品データ館」から近年分を拝借した。65年以上のデータなので漁獲量の変化が一目瞭然。
ズワイガニ、一見オミクロン株感染者の波や先日示したイワシのようなピークを形成しているが、多分ピーク形成の原因はそれらが自然のメカニズムであるのに対し、ズワイガニは1960年代の乱獲とその反動の現れのような気がする(感想です)。ズワイガニ漁は底引き漁法、50年以上昔の高度成長期とあれば節操もなくカニを底引き網で浚った結果、ズワイガニは壊滅状態に陥ったのだろう。
一方のベニズワイガニ、統計は1995年からだが漸減というには少々急な現象が明らか。幸いなことにこちらは大水深ゆえかご量なので、生息数に底引きのようなダメージを与えることはなかったようだ。
最後に毛ガニ。産地は北海道がほとんどで岩手県でも少々捕れるらしい。毛ガニは子供のころによく食べた記憶がある。1960年前後のことで、けっして豊かな家ではなかったから多分ズワイガニのようにたくさんとれて安くもあったのだろう。今やズワイガニの半分以下しか捕れていないのを見てびっくり。毛ガニが美味しいと話しても共感を得ることができないのは、食べたことが無い人が多いためだとわかった。

ベニズワイガニはしばらくはそこそこ捕れそうなので、今のうちに食べておいた方が良さそう。3月になったら能生のカニ屋さんに注文して取り寄せよう。
能生のHPのお知らせ。

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