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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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2022年円ドル予測の予実対比と2023年の見立て

円ドルが150円台を付けた昨年10月下旬以降、派手な円高になっている。所詮日銀やヘッジファンドの投機的動きによる短期的なアヤと見ていたが、少なくとも今日まで一方的に円が高騰している。背景には米国の金利(10年国債利回り)がFRBのコメントを嘲笑うかのように、やはりマーケット米国国債を買っている(=金利は下がる)ためで、世界的に見てもドルは全面的に売られている状況にある。
20230117円ドル推移

ところで昨年3月に円ドルは年末に145‐160円になると書いた。根拠は米国10年債の金利の上昇であった。この記事は「アゴラ言論プラットフォーム」(HPの解説;経済、ビジネスm情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはある言論プラットフォーム)というネット上のページにも掲載され、英語版もあることから形の上では世界中で読まれたことになる。
20220423アゴラ

さて現実は想定通り10月下旬まで金利は4.2%にまで上昇、円も150円を超えて30年ぶりの円安と大騒ぎになったのは記憶に新しい。しかし、そこに日銀の為替介入、そして12月の市場の想定外の政策金利の0.25%から0.50%への引き上げがあって年末はそれぞれ3.8%、132円となった。この投機的な動きを想定することはできなかったが、ある意味、想定通りであるともいえるが、年末というピンポイントでは「外れ」という指摘は甘受せねばならない。

とりあえず、記事に載せた想定図に実績を書き加えてみた(青(円)と茶色(米国債利回りの星印)。
20230117予実対比


円高の大きな要因として注目されたのが日銀の政策金利の引き上げで、両者の絶対値の実績がこちら。金利差が縮小したと言っても誤差範囲の大きさ。為替は金利差だけで動くものではなく、円で言えば日本の経常収支や財政状況なども為替の変動に寄与する大きな要因であるが、不思議なことに円安方向のドライバーである。すなわち、ファンダメンタルズから見れば円高はありえない。
20230114 Money Plus

先日、ネット上で「どうなる?2023年ドル円相場~4人の為替のプロが予想~【Bizスクエア】」なる記事を見た。記事はこの4人の為替のプロの2022年の予想結果を、涙ぐましいことに「アナリストの年末予想は見事に全員大ハズレだった」と総括することから始まった。4人の予想レンジは118円から108円の間。これが為替プロの実態だし、そんな人たちの予測を見ても何の役にも立たないが、記事はいずれも2023年は120円‐140円の間で動くだろうという予想だった。

さて話は戻って今年の見立て、きちんとした検討はしていないが方向としては円安、場合によっては想像を超える円安もあるかもしれない。日本でもインフレの兆候がはっきりと見えてきた上、春には久しぶりのベースアップを含む近年にない賃上げが期待できそうな雰囲気。世界的なインフレ基調はしばらく続くのだろう。となればFRBのおっしゃる通り米国金利はまだ上がる。すなわち円安方向。多くのまともな専門家はその方向のスタンスを論じている。

先日、最近あちこちで露出するようになった藤巻健史氏が、氏のHPでこんな記事を書いていた。日銀関係者を含む金融関係の有識者ほど危機感は強いようだ。なお円の棄損とは円の暴落のことである。
元日本経済新聞記者で1980年代後半のバブル期以降、主に金融資本市場取材に従事。日経QUICKニュース社(NQN)のデスク、部長をされていた方から以下リツイートをいただいた。「日本は1971年のニクソンショックでブレトンウッズ体制が崩壊し、各国が外為市場を閉鎖する中で1ドル360円を守ろうと巨額のドル買い円売りをし、その後の狂乱物価の原因の一つになった。 状況が急変しても政策変更が遅れるミスを今回も繰り返し、大幅に余剰な円の価値が棄損しないか非常に心配だ。」
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