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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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毎日新聞の藤巻健史氏インタビュー記事

先日、藤巻健史氏がご自身のブログで、毎日新聞夕刊の特集ワイドに1面を使ってご自身の紹介とインタビュー記事が載ると紹介していた。毎日新聞を購読している知り合いに、たぶんスルーしてしまうと思われたので記事の話をメールしておいたところ、その記事の切り抜きを持参してくれた。

確かに1ページ丸ごとの署名記事ではあったが、全体の4割が氏の経歴等の紹介で、ブログに見るような内容は薄かった。記者の問題意識の欠如か、毎日新聞として掲載するには抵抗があったのかわからないが、部分的には氏のスタンスがカバーされているものの表面的な記述で、一般市民である読者にとっては何が問題なのか、日本の金融経済における深刻な状況を理解することは不可能だろう。

ある意味で、新聞報道の知識レベルもしくは見識の実態がバレたような特集でもあった。

2月10日毎日新聞夕刊 20230210毎日新聞

そこで氏のブログの最新記事からいくつのトピックを新しい順に丸ごとコピペする。日本の現状を認識していないとわかりにくいとは思うが、氏の本当に伝えたかった内容が実感できるだろう。なお、今後の想定や見立てがその通りになるとは思っていないが、現状認識と方向性はおっしゃる通りである。

長いのでとりあえず要約のような文章も書いておられるので最初に示しておく。

もはや日銀は、中央銀行としての機能を失っているのです。物価上昇に対して黒田総裁が頑として利上げをしないのは、利上げすれば日銀が自死してしまうため。債務超過に陥り中央銀行の信用が失墜すれば、その発行する通貨も信用を失います。日銀は物価が上昇してもなす術がないのです。インフレ時に何もできない中央銀行など、中央銀行の体をなしていません。これからは凄まじい通貨価値の希薄(=ハイパーインフレ)が起こるとでしょう。異次元緩和は、最終的に日銀をつぶすことによって――すなわち円の価値を失墜させることで終焉を迎えると思います。 ここまで来た以上、個人は自衛するしかありません。特に短期のドル資産を保有するのは、保険としてマストでしょう」。

‐2月15日
・2022年12月末時点の地銀の国内債含み損は1.4兆円。長期金利を0.25%上げただけで、この膨らみようだ。YCC 放棄で長期金利をさらに上げたら、地銀の倒産続出で、金融システムに危機発生の可能性ありだ。長期金利を上げたら日銀自身だけでなく地銀も危なくなるということ。黒田日銀総裁が、この物価高でも頑として長期金利を抑えている(=大金融緩和継続)の理由だ。

・ところで、これ以上長期金利が上昇すると破綻リスクが出てくる地銀全体の国債保有残高は17兆円、地方債19兆円と計36兆円。一方、日銀の保有額は561兆円(ともに11月末)。含み損がとてつもなくでかく、さらに評価損が爆増していく可能性があり、日本で一番危ない金融機関が日銀だ。

・世界各国の中央銀行がインフレ対応で政策金利を上げている。長期金利をも政策目標としている中央銀行など世界で日銀だけだから世界各国の中央銀行は短期金利を上げているということ。かなり上げても決算は黒字だ。しかし日銀は0.3%ほど短期金利を上げると、損の垂れ流しが始まる。とんでもない中央銀行だ。異次元に劣悪な財務状況。そんな中央銀行を世界の人は信用しない。

・「日銀がYCCを放棄するから日米金利差拡大で円高・ドル高だ」との説を散見するが、『日米金利差縮小で円高』などという甘っちょろい次元ではもはやない。日銀崩壊で円暴落、その結果、支える機関がなくなった国債も暴落という順だ。日本売り(=円、国債、株のトリプル安)だ。つい先日、英国トラス政権を市場が暴力で倒したのと同じ現象だ。英国はBOEの財務状況、財務状態が、日本より段違いに良かったから政策の軌道修正で市場は鎮静化したが、日本には政策変更の余地もない。

‐2月14日
・昨年末1ドル150円をつけてから、円安進行が止まり、円高方向に反転した。「米国金利は頭打ち、FRBは近じか利下げに入る。一方の日銀は引締めへと政策転換をする」との分析がその理由だった。その理由が、ボロボロに崩れ去りつつある。円安再加速の可能性大。もっとも私が円暴落を予想するのは、そんな次元の話ではなく、日銀の債務超過により日銀と円の信用が完膚なきほどに失墜してしまうからだ。バラマキ継続と財政ファイナンス(=別名、異次元緩和)の当然の帰結だ。歴史やオーソドックスな金融論が教える通りだ。早めに自分の財産を守ることに注力すべき。

‐2月10日
・日銀マンにとって垂涎の的であるはずの日銀総裁職、しかも今回は日銀内部者の昇格の番だった。それでもかかわらず、雨宮副総裁、中曾元副総裁、山口元副総裁は逃げた。そりゃそうだろう。火中の栗どころが、火中の時限爆弾を拾う仕事だからだ。事情を熟知している内部者ほど、怖くてたまらないはずだ。私が72年の人生の中で見た公職の中で、これほど貧乏くじで人生の晩年を汚す公職はない。

・日銀マンが総裁職から逃げ回ったこと自体、日銀がいかにヤバい状態かの、強烈な証左だ。内部にいればいるほど、出口がなく、ヤバさがわかっているはずだからだ。世界では、「なぜ日銀マンが総裁職を受けなかったのか?」との疑問とその分析が行われ、そのヤバさを気付くきっかけとなると私は思う。植田氏は、日銀審議委員を経験したとはいえ、そもそもが東大の学者。学者の純粋さで、市場の怖さを全く知らないから、うかつに受けてしまったのだろう。かわいそうに。

‐1月28日
・黒田日銀総裁は「労賃の上昇が物価の上昇に追い付くまでは緩和を続行する」とおっしゃるが、そんなことは利上げをしない理由にならない。他の中央銀行は必死になって、利上げを行っているが、労賃の上昇が物価の上昇に追い付いている国はない。緩和継続で、日本は今後、インフレ地獄(日銀インフレ)を迎えるだろう。

・なぜ「金利を上げられないか?」・長期にしろ短期にしろ、利上げすれば日銀がすぐ債務超過になってしまうからだ。他の中央銀行と違い、段違いの財政ファイナンスをして来たせいだ。債務超過になれば米銀が日銀当座預金を閉鎖し円をドルと交換できなくなるし、格下げで国債がジャンク債入りしてしまうからだ。

・日銀が金融引き締めを行えば、債務超過で円は紙くず化。金融緩和を継続し火に油を注ぎ続ければインフレは軽く10%を超えていくだろう。その時、次期日銀総裁は「まだ緩和は必要です」と言えるのだろうか?いずれにしろ日銀は新中央銀行に変わらざるを得ない。円は流通不能になり新通貨が法定通貨となる。
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