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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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冤罪の深層と真相:大川原化工機事件

学生時代、世の中には冤罪というものがあり、死刑判決を受けながら再審によって無罪が証明されたという事例が複数あると知り驚いた。以来、冤罪には過敏に反応するようになり、死刑→無罪という極端な例だけでなく、有罪→無罪というケースは毎年のように繰り返されていると知った。このブログでも冤罪については多数の記事を書いてきた。

冤罪というのは咎無き一国民がある日突然自分の人生を奪われること。全ての冤罪の根源は警察と検察合作による犯罪シナリオの創作にあり、それを容認する無能な裁判官により有罪が確定、後日、多くは十年単位の月日の後、まともな裁判官が無実であることを認定し、冤罪が生まれる。不幸にしてまともな裁判官に巡り合わなければ刑期を全失せねばならず、死刑の場合は殺される。

冤罪に反応する背景は、故意もしくは無能によって無実の人の人生を奪っても、警察、検察、裁判官が罪に問われることも、責任を取らされることも、そして謝罪することもないこと。究極の不公平システム。テレビ、新聞も庶民の味方のような顔をしているがこの件に触れることは全くない。


上の文章は4年以上前の2019年5月に書いた「検察の犯罪」という記事の冒頭である→こちら

ところが今日、冤罪であることが確定したある事件について、NHKが冤罪が作られたプロセスやその動機について丁寧なドキュメントを放映した。以下はHPにある番組の紹介である。

なぜ“冤罪”は起きたのか―。3年前、軍事転用が可能な精密機器を不正に輸出したとして横浜市の中小企業の社長ら3人が逮捕された事件。長期勾留ののち異例の起訴取り消しとなった。会社側が国と東京都に賠償を求めている裁判で今年6月、証人として出廷した現役捜査員は「まあ、ねつ造ですね」と語り、捜査の問題点を赤裸々に語った。公安部の中でいったい何が起きていたのか。法廷の証言と独自資料をもとに徹底取材で検証する。
20230924NHK冤罪

補足すると、事件を主導したのは警視庁公安部‐外事第一課‐第五係という組織。異例の起訴取り消しとなった理由は、この事件を担当した裁判官がまともな人間だったという幸運に恵まれたためと思われる。起訴取り消しとなった後、被告側は国家賠償訴訟を起こし、国と東京都に計約5億6500万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。冤罪が明らかになった訳は、公判において第五係の捜査官二人が「(事件は)捏造ですね」、「捜査幹部がマイナス証拠をすべて取り上げない姿勢があった。きちんと反証していれば、こんなことは起きなかった」と証言したためらしい。

この国家賠償訴訟は9月15日に結審、12月27日に判決が出るそうだ。番組では警察側は全て完全匿名で、第五係の係長がNHKのインタビューに「うるさいな」と言いながら足早に逃げ回る画像が流された。いずれにしろ、テレビが冤罪に実態を克明に紹介したことには拍手。12月に原告の主張が一部でもあれ認められる判決が出れば、刑事訴訟法的には無罪でも、民事では有罪との判決と同じ。その時は改めて実名と顔出しで、第五係長を含め冤罪捏造に関わった関係者の登場する番組を放映すれば、冤罪捏造という故意の重罪に対する強力な抑止力になるだろう。
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