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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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私の履歴書(2):入社前後

前回、早稲田大学理工学部に入学したところまで書いた。ちょうどいい機会なので続きを記しておく。

当時の早稲田の理工学部は建築とか機械とか数学とかの科別の枠組みでの入試で、私が受験したのは資源工学科だった。そこから4年間の学部生かつ大学院まで進んだので計6年間にわたる学生時代になる。この時代のことを書き始めると長くなるので割愛、1977年3月に修士課程を修了した。正確な最終学歴は早稲田大学大学院石油工学専修修了(今回40年ぶりに再確認)と偉そうな肩書になっている。

大学院修了後、縁があって三井石油開発(株)に入社した。どんな会社かも知らなかったが、今思うとタイのシャム湾での探鉱投資活動をしているだけで親会社の三井物産から譲り受けた企業からのわずかな配当で食べているような会社であった。職種はリザーバーエンジニア(油層工学)といい、アメリカでは超エリートの職種であったが日本では知る人もいない超マイナーな職種、そもそも石油開発会社といっても知る人もなない時代である。配属先は計画部という新規事業を開拓するという部署。部長と次長、一年先に入社した学部卒の同僚と一つ上のお姉さんというラインだった。

油層工学の基礎は油層方程式という偏微分方程式である。この式をいくつかの実務的境界条件に対して解くと実務的な式(解)が得られる。英語ではあるが専門書があり解はわかっているがその解法までは記されていない。次長のYさんから入社して最初に与えられた仕事は、「これを解け」というものだった。Yさんも東大の資源工学科の卒業だった。数学がそれほど得意ではなかったので数学の専門書を購入、入社した年の夏までは会社の机で学生みたいに数学の問題と格闘した。

しかし実務的に入社一年目の一番大きな仕事は、会社を定時に終えたあと、次長のYさんとお姉さんと私の3人で青山周辺に飲みに行くことだった。飲みに行くと言っても居酒屋に寄ってちょっと一杯などというレベルではなく、深夜過ぎが常態、朝の5時などとということも稀ではなかった。そんな日の当日は、Yさんは会社を休んだ。雨の朝もお姉さんに電話をかけてきて「今日は雨だ」と言って会社を休んだ。どこかの店で相客は大原麗子と森進一だけ、などということもあった。私はお酒が強くないので量は飲まないが、お金を払った記憶がなく、今思えばすべてYさんが払ってくれていた。とても気が合ったし可愛がってもらった。夏は暑いからと言ってネクタイを外し、これも気が合って私は夏にネクタイをすることなく長い会社生活を終えた。

そんな入社一年目の夏か秋に、インドネシアの油田の権益取得の話が三井物産からもたらされた。評価は当社、というか私。生産油田ではあるが水が付いて原油の生産量が激減中の油田であった。米コンサルタント会社のレポートでは近年中に生産できなくなるという評価だった。そうは言ってもデータは豊富にあり、新卒とはいえ知識を総動員してスタディに当たった。しかしその冬、部長から「K君、あのプロジェクトは見送りになったよ」との話があった。当時の日本の石油開発は、探鉱で成功し開発生産に以降というのが常識であって生産油田を買収するという発想も実績もなかったことが、株主に決断を見送らせた背景だったと思う。また一年目とあって言われた作業をするだけで多くを語らなかったこともある。この結論を聞き、改めて含水量の増加の見通しに悲観的な要素があり、また追加の生産井掘削の余地が大きい等のレポートを作成して次長経由部長に提出した。部長は改めて三井物産に説明したのだろう、しばらくしてプロジェクトは生き返り買収交渉へ進展、1978年1月に交渉は妥結、当社初の原油生産プロジェクトになった。

結果的に生産量はコンサルタントの生産予測はもちろん、私の予測をも大幅に上回り、買収から2年半を経ずして投資金額を全て回収、当社初の成功案件となり会社の成長の礎となった。生産は減退を続けたとはいえその後20年間以上続いたから、油価の上昇もあり会社の利益は百憶円を超えたと思う。

1978年の春からは石油公団技術センターに研究職として出向する。会社にいても時間の無駄だからというYさんの計らいだったと思う。この時の主たるテーマが炭酸ガス攻法、炭酸ガスを油層に圧入して原油を回収するという技術である。この話も書きだすと長くなるので割愛するが、当時のスナップショットを今年の8月の記事でふれた。「大麻の味」というタイトルで記事は→こちら

(続く)
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