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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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天文台の存在価値

日曜日の日経新聞のトップ記事。日曜日の朝から政治経済の話ではうっとうしいと思ったのか、人工衛星の話が取り上げられていた。主旨は小見出しから想像がつくように、現在人工衛星により天文観測に支障が生じており、かつ今後人工衛星の激増が計画されていることから、大変だーというもの。記事の最後は、「国際社会経済研究所の佐野智氏は低軌道の運用ルールを早急に整備するよう訴える。『本質は環境問題と同じだ。このままでは先進国が無秩序に打ち上げ、後発国も続き、どんどん悪い方向に向かってしまう』。宇宙がますます身近になる時代。産学の共存を探る議論は待ったなしだ。」という記述で終わっている。
20240107人工衛星

20240107人工衛星2a

「ふーん、そうかも」とは思うが、ただこの記事、昨年の日経サイエンス8月号の記事とうり二つというか全く同じ話で、これってほとんど盗作じゃないかとの印象を禁じ得ない。下図は日経サイエンス8月号の表紙と当該記事のページ。
日経サイエンス2023年8月号 日経サイエンス2023年8月号2

それはそれとして、「日本の天文学者って何をしているのだろう?」とこの記事を見て思わざるを得なかった。日本にも国立天文台をはじめいくつか天文台があるが、はたして学者さんは望遠鏡を覗いて、もう少し丁寧に言えば望遠鏡を使用することにより画像等何らかのデータの収集をしているのかどうかに関して大いに疑問を感じるから。

なぜなら、ハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げられたのが1990年だから33年前、2021年には後継機のジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が打ち上げられ、地上のちゃちな光学望遠鏡の出番は無くなり、地上で活躍するのはチリのアルマ望遠鏡に代表される電波望遠鏡だけかと思っているから。

こちらがハッブル宇宙望遠鏡で撮影された画像のごく一部。左下の暗黒星雲の画像は超有名。このような詳細にして鮮明な画像を地上の光学望遠鏡で見ることは不可能である。
Hubble1.jpg

Hubble6.jpg Hubble4.jpg

このハッブル宇宙望遠鏡の後継機として2021年に打ち上げられたのがジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡。ハッブルが地球上空600キロを周回する衛星であるのに対し、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は地球地球に対して太陽の反対側、150万キロに置かれている。150万キロというのは月までの距離の4倍と、想像を絶する距離に位置する。また、30年間の技術進歩を反映し性能も画像の精度にも大きな進歩が見られる。
HubbleとJWの比較1

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の画像のごく一部。
JamesWeb1.jpg JamesWeb4.jpg

JamesWeb6.jpg

宇宙の涯 JamesWeb5.jpg

宇宙の涯とはビッグバンから数億年後の宇宙の姿、赤い点が生まれたての銀河で、地球から130憶光年以上の先の世界である。なお光っている星や白い星、銀河はずっと手前のもの。ちなみに光年とは光が1年かけて進む距離のこと。木星だと40分ほどとか地球が誕生して46億年ということを思っても、130億光年という距離がどれほどのものかイメージし難い。以前にも掲載した宇宙の歴史が下図で、現在が右端。左端の緑の部分がビッグバンからの宇宙の膨張期になる。余計に分からなくなるか。
宇宙の歴史

宇宙望遠鏡は太陽系の中も撮影できる。これが木星。地表での光学望遠鏡に較べれば桁違いの鮮明度である。一方詳細な観測をするには木星はあまりも地球から遠すぎるということで、50年以上昔から惑星に対して探査衛星が飛ばされてきた。初めて木星の傍を通過、画像を送ってきたのが1973年の「パイオニア10号」、79年には「ボイジャー1号」、1995年に「ガリレオ」、そして2016年に木星に到達したのが「ジュノー」である。
JamesWeb3.jpg

こちらがジュノーの画像の精度を示す図。やはり宇宙望遠鏡でも近くまで接近できる探査衛星には観測の詳細においてかなわない。
Juno6.jpg

木星の表面に木星の月であるガニメデの影ができている。この影の中に入れば木星での皆既日食。
Juno2.jpg

木星は月がたくさんあるので毎日どこかで皆既日食が見られるのかもしれない。
Juno3.jpg

木星の月、エウロパ Juno1.jpg

以上人工衛星がたくさん飛んで空が明るくなっても、日本の天文台での観測が役に立つようには思われないと思う理由について長々と証明した。ただし、天文学者からの反論があれば謙虚にお聞きしたいのでどうぞ。
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