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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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日本の持続不能な財政状況(3)

思っていたよりもはるかに長くなってしまった昨日の続き。日本の現在の状況と将来に関しての認識が変わるものではないが、おかげできちんとした資料をもって日本の実態を正確にして冷静に記述することとなった。財務省に深謝。

5.日本に明るい未来はあるのか?
結論を簡単に述べれば「ない」。ただ財務省としても「ない」と公言するわけにはいかないので形づくりをして、国民のパニックの防止に努めている。それが財政健全化目標として掲げている「プラマリーバランス(PB)の黒字化」。

PBとは、簡単に言えば税収と政策的経費をバランスさせること。現在、政策経費を税収では賄えないので約50年間にわたり国債を発行、これを実質的に日銀がお札を印刷して買い取り税金の不足分を政府に供給している。多かれ少なかれどの国も国債を発行して税収の補完をしているが、中央銀行が「非伝統的金融緩和策」と称してあからさまにかつ節操もなく大量の紙幣を印刷しているのは日本だけである。どこの国も国と通貨の信認を維持するため、持続可能なレベルに政府債務を抑える努力を惜しまない。今回の記事のマクラのケニアではGDP比70%の債務比率に危機感を覚えているという大統領の話であった。
20240218日本の財政10

以上のことを財務省は図を用いて丁寧に説明している。左のカラムが現状、真ん中が目標であるPBがバランスした状況である。

日本の目標とする「プラマリーバランス(PB)の黒字化」とは持続不可能な財政状態を、せめて借金の返済は無理でもサラ金から金を借り続けるような状態から脱することを、ささやかではあるが実現したいという長年ののぞみである。最下段にPBバランスの意味を素直に書いてあり(赤枠)、この一節を記した担当官の気持ちを考えると涙を禁じ得ない。曰く「行政サービスを税収等のみで賄えていますが、利払費の分だけ債務残高が増えます」。要するに程度の問題で、国の借金が増え続けることに変わりはない。

右は現在の目標の先にある「財政収支が均衡した状態」。利払いも税収で賄うことができた場合で、今年度の予算では約8.5兆円、法人税の税収が14.6兆円なので約6割弱が現在利払いで消えている。ポイントは最下段の一言コメント(赤枠)、「債務残高は変わりません」というシンプルな一言が、人生を投げているというより、それ以上書くことができなかったという心情を吐露しているようで痛々しい(個人的感想です)。
20240218日本の財政11

問題は利払い。現在までの日本は長期間にわたるデフレに伴う超低金利が長いこと続いていた。しかし今年になって企業業績の回復や賃金の上昇など日本経済には回復の兆しが見られ、ファンダメンタルズとしての市場金利は穏やかに上昇するだろう。さらに通貨のへの信認がやがて失われれば円と国債は暴落、物価と金利は急上昇する蓋然性も大きい。すなわち現在の日本はまさに「低金利環境がいつまでも続くとは限らない」状況にある。長らく7兆円前後で今年度は8.5兆円とみこまれている利払い費は急増する可能性が高い。

言い換えれば「「財政収支が均衡した状態」に達する時期は見えない。政府が「「PBの黒字化」としてお茶を濁さずにいられない背景はここにある。「「財政収支が均衡した状態」に達しないのであるから「債務残高が増え続ける」。
20240218日本の財政12

6.日本の将来像
最後に歳出の構造について。財務省のお言葉;日本は、他国に類をみない速度で高齢化が進んでいます。今後、高齢化は
さらに進展し、2025年にはいわゆる「団塊の世代」の全員が後期高齢者である75歳以上となります。75歳以上になると、1人当たりの医療や介護の費用は急増することから、持続可能な社会保障制度を作るために残された時間はわずかです。


下図は今年度と33年前の歳出の変化。社会保障費が3倍に増えて36.9兆円、歳入に色はないとはいえ今年度の消費税率は23.4兆円と社会保障費も遠く賄えないでいるのが実態。ゆえの国債発行でもある。
20240218日本の財政13a

20240218日本の財政13

財務省資料の最後のページが「想像した未来像を踏まえて、将来から現在へのメッセージを送ってみましょう」として「例1(良い未来)」と「例2(悪い未来)」が示されている。例1は「良い未来」と印象操作の典型のようなタイトルが付けられており、これまでの資料とは全くかけ離れた戯言が並んでいるもの。ここまでの資料制作者とは別人が作ったのではないかと思われるぐらい。
20240218日本の財政14a

こちらが例2の「悪い未来」。悪いではなく「現実的な未来」とすべきであろう。
20240218日本の財政14

このような現実を前に国民はどうすれば良いのか?確実に言えることは、政府には、そしてだれにも、もはや軟着陸できる解決策はないという現実。そして国民が、自己責任で、これからの想定される経済的社会的問題に具体的に準備していかねばならないというもう一つの現実、この二つの不都合な現実をきちんと認識することが最初の一歩である。
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