fc2ブログ

風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

Entries

円ドル為替レート変動の仕組み

日経新聞の土曜日の朝刊の一面を飾ったのが「日銀、マイナス金利解除へ 17年ぶり利上げ」なる記事。日銀のマイナス金利解除は今年になってあちこちでずっと話題になっていたもので何ら新鮮なものはないが、日経新聞がトップ記事で「日銀は18~19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除する見通しになった」と確報のごとく書いた点がニュース。
20240316マイナス金利解除

マイナス金利については2月3日に「円ドルの現状」なる大作の記事でその実態を解説したように、大きな経済的変動を起こすような実質的な変化ではない→こちら。しかし、日銀の姿勢の変化によって、日本経済もしくは日本人の生活が激震に襲われる可能性もしくはそのきっかけになる可能性があると思った方が良い。

とりあえず、今年の3月4日ごろから16日までの円ドルレートの推移を細かく見たもの(時間足)がこちら。6日には150円/ドルだった円が11日には146円/ドルの「円高」になり、16日のニューヨークでは149円台半ばまでに円が売られた。
20240316円ドル時間足

この値動きを受け、円高が進んだ8日、9日の新聞には、無責任な新聞記者か専門家による記事が掲載された。左は円高騰の解説記事、右は11日の週の見通しである。記事の下に載せた図は左の新聞記事からの拡大図。

左の記事では「中川順子審議委員が7日の講演で「賃金と物価の好循環が展望できる」と述べると、円相場は約1カ月ぶりに1ドル=147円台まで上昇」とあり、右の記事では「今週の外国為替市場で円相場は対ドルで底堅く推移しそうだ。日銀が早期にマイナス金利政策を解除するとの観測が背景にある。日米の金利差に着目した円買い・ドル売りが入りやすく、円高基調となる公算が大きい」とある。
20240308円高 20240311今週の見通し

20240312円高図

しかし上記の解説記事を円高の要因と思うのは間違いというか見当違い。為替の取引には多様な人たちが参加しているが、大多数の市場参加者は短期の取引、デイトレのようなもので、長期的視野立って売買しているわけではない。トレーダーが年に数回の取引しかせず後は寝ていたらすぐクビになる。素人であれば何年でも寝かしておくことができるの、むしろ素人の方が視野は広いというのが実態ではないだろうか。

では為替の市場参加者は何を見て売買しているのか?為替は様々な要因で動くものだが、ここ数年の取引の主たる要素は日米の目先の金利差であった。下図はこの一年間弱の期間における米国10年債の利回りと為替レート(円/ドル)の日々の推移。今年の一月まで両者は高い相関関係、言い換えれば見事に両者がシンクロしていることがわかる。

もう一つの重要なポイントが、今年に入って両者のシンクロ関係において、トレンドはシンクロしているが両者の幅が増幅、言い換えれば円安方向に膨れ始めている(赤の矢印)。この傾向こそが最大の懸念事項なのだが、本記事で長くなったので別記事で書くことにする。

なお赤の利回りの軸(右)に対して、ドル円の緑の軸は相対的なものなのでどのようにでも取ることができる。図は、たまたま分かりやすい軸の設定になっていたもの。軸の設定により見かけは変わるが、両者の相対的な関係、すなわち上述の論旨は全く変わらない。
20240310米国金利とドル円

とりあえずのポイントは、為替の市場参加者は足許の米国の市場金利(=10年国債の利回り=売買)を見て日々のドル円売買をしているのが実態であるということである。いわゆる専門家やXXストは新聞記事にあるような足許のニュースが円高/円安のような記事を書くが、上に「見当違い」と書いたのはこのことである。

下図は上図の円の急騰後に再度急落した今日現在までの拡大図、赤枠がその期間でドル円が完全に米国10年国債利回りに連動していることが一目瞭然であろう。専門家やXXストの解説や予想など読む価値もない、と言ったら可哀そうだが仕方ない。日経新聞は「3月解除にらみ円高株安」と書いていたのだから。
20240318ドル円シンクロ

以上素人の戯言に聞こえるかもしれないので、以下に自己宣伝。

今やドル円の為替レートが日米金利差に強く連動することは周知のことで世界中が米国10年国債利回りをウォッチして売買しているが、2021年ごろにそれに気づいている日本人は多くなかった。いかなる専門家もXXストも大会社の経営者も円が近い将来150円になるなど考えもしなかったのである。当時の為替に関する新聞記事を見れば明らかなはず。

さてドル円と米国10年国債利回りの連動に気付いたのは2021年の10月だった。その連動性に確信を持った時期に書いた記事が2022年4月20日の「円安の行方」なる記事、背景はアメリカのインフレ傾向からFRBがドル金利を上げることが確実だったからである。この頃の円は120円/ドル台で、年末には145‐160円になると書いた→こちら

記事の内容に自信があったので「アゴラ」に投稿したところほぼ丸ごと採用された。英語版と中国語版にも翻訳されている、見る人はいないと思われるけど。なおこの記事は今でもみることができる→こちら

これが書き出し。
20240318AGORA.png

記事の中に示した、これまでの予測の結果。2021年10月に113円だった円が2022年半ばには125円程度になるという予測で、実績は予想円内に余裕で収まった。
20240318AGORA-2.png

こちらが結論。円が150円になるなどという予想は誰もしなかった。目先のことしか見ていないから。結果として、国債利回りは想定通り上がっていったが年末から2023年夏にかけて中休みがありまた5%まで上がらなかったが、それでも円は10月に150円を付けた。トレンドとしてはほぼ見立て通りと言っていいだろう。デイトレをしているわけではないので。
20240318AGORA-3.png
関連記事
スポンサーサイト



*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

時の旅人

Author:時の旅人
辰年の獅子座のO型

最新記事

カレンダー

03 | 2024/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

月別アーカイブ

右サイドメニュー

検索フォーム

最新トラックバック