fc2ブログ

風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

Entries

日銀の信認

19日は午後に日銀の金融政策決定会合の結果の発表があり、分かり切ったこととはいえ本番なので夕刊と今日の朝刊共に一面トップでの力の入った記事だったので記念撮影。
3月19日夕刊 20240319マイナス金利解除

3月20日朝刊 20240320マイナス金利解除

この決定を受け、世の中は円安が進行中。それまで149円ちょいプラで売買されていた円が発表前の12時ごろから円安傾向が加速し、現在は151円半ばまで売られている。
20240320ドル円

前回のブログに書いたが日経新聞に掲載された記事を再掲、新聞記事もしくは専門家のご意見がいかなるものかについて申し訳ないが晒し物にさせていただく。マイナス金利解除により円高になるというのが両記事の主旨。
20240308円高 20240311今週の見通し

さて前回の続き。米国10年国債利回りと円/ドルの為替レートがシンクロしていることを示し、為替の売買が米国10年国債利回り(日米金利差)に大きく依存している現状を説明した。しかしそれも昨年まで、今年に入って米国10年国債利回りと比較して円/ドルの為替レートが円安方向に膨れ始めている(赤の矢印)。言い換えると、利回り=金利差に加え、別の要因が円安に寄与し始めているのが明らかに見える。
20240310米国金利とドル円

その要因とは何?筆者はそれが日銀に対する世界的な信認に疑惑が生じ始めた兆しではないかと考えている。

先日、参議院の予算委員会での藤巻健史氏と植村日銀総裁との質疑応答を視聴した理由は、植村総裁の答弁がどのようなものか、新聞記事ではなくご本人の言葉を確認するためであった。結果は藤巻氏の質問に対して答えになっていないという驚くべき答弁が多く、日銀総裁としては公には答えられないという日銀の実態が明らかになったとの印象であった。

今日はその日銀の実態についてのデータを示す。昨年の12月に日銀は下記のレポートを公開している。題して「中央銀行の財務と金融政策」、大作なので概要さえ述べられないが、今回必要な資料が全て揃っている優れものであった。これから示すものは各国の中央銀行、日本(日銀)、アメリカ(FRB)、EU(ECB)、イギリス(BOE)、の資産並びに内訳の長期間にわたる推移である。
20240319BOJレポート202312

まず日銀。約25年間にわたる推移が図示されている。日銀が自らの裸体を晒しているようなもので、さすがに超エリート集団だけあって立派(皮肉ではなく尊敬)。2013年からの黒田総裁の下での異次元の金融緩和から国債の大規模な買い入れ(=財政ファイナンス)が始まり日銀のBSは肥大化、コロナ禍の始まる2020年からはETFや株式の購入もあって日銀資産は膨らむ一方である。

今回の金融政策決定会合でも、「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」と述べ、また「当面、現状と同程度の長期国債の買い入れを続ける」としている。しかも「財務省幹部は『いずれ日銀が国債の保有額を減らしていく時に誰に買ってもらうかは大きな課題だ』と語る。」と別記事に日経の記者が書いていたように、肥大化の歯止めや現実性は闇の中。

赤丸は後述の他の中央銀行と比較するために、資産肥大化の削減の兆しのない日銀の直近の姿を明示するために付けた。
20240319日銀の資産規模・構成の推移

ということで、他の中央銀行の資産の推移を示す。いずれもコロナ禍に対し国債の買い入れ等で財政支援をしたが、いずれも資産の圧縮に取り組んでいる。目的は財政の健全性を確保するため。取り組んでいないのは日銀だけ。
20240319FRBの資産規模・構成の推移
20240319ECBの資産規模・構成の推移
20240319BOEの資産規模・構成の推移

それだけでなく、日銀の資産には糖尿病のような致命的な特徴がある。中央銀行の資産規模である。本来、中央銀行に大きな資産(国債)は不要。健全な経済状態の国であれば、国が発行する国債は市場で消化される。消化されない、もしくは売れなければ国債は暴落するので中央銀行が買う。これだと、国はいくらでも国債を発行して日銀券を貰うことができる。これが財政ファイナンスという打ち出の小槌。円の価値の希薄化と同じである。

下図が本稿の肝。図のタイトルにある通りで、日銀資産は2013年までは他の中央銀行並みであったが、それ以降は桁違いに資産が膨らんでしまっている。かつコロナ禍でなりふり構わずお金が必要となったのはどこも同じだが、日銀だけは資産圧縮の気配もない。まさに財政の非健全化に向け、タイタニック号のごとく突進している。
20240319日銀の資産残高推移

このレポートでは、以上のドル、ユーロ、ポンドの信認の維持を司る各国の中央銀行の金融政策と実際の運営を承知し、また日銀の実態を誰よりも知る日銀が中央銀行に関する基本的な考えを述べている。ポイントは赤枠。教科書的な教条を他人事のように記しているが、内容を「中央銀行」から「日銀」として論理的に書き直すとこうなる。

ただし、債務超過が過大で解消の目途はたたないとなれば大きな問題となる。日銀においては財務の健全性を確保することはもはや現実的に不可能というのが実態。日銀の財務リスクが世界的に着目され敷衍すれば、日銀に対する信認の低下を免れることはできず、円が売られると共に世界の金融市場に大きな混乱が生じることを覚悟する必要がある。

日銀はどうしようもないことも分かっている。直接的に言うほどバカではないので、一般論として書いたというのが正しい解釈。

20240319日銀の信認の説明



関連記事
スポンサーサイト



*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

時の旅人

Author:時の旅人
辰年の獅子座のO型

最新記事

カレンダー

03 | 2024/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

月別アーカイブ

右サイドメニュー

検索フォーム

最新トラックバック