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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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「NHKスペシャル・福島モノローグ 2011‐2024」の補足

日曜日、吉高由里子と柄本佑の大河ドラマの後、なし崩し的に始まった「NHKスペシャル・福島モノローグ 2011‐2024」を観た。NHKのHPによる番組の概要はこんな感じ。

原発事故以降350頭以上の家畜やペットを餓死から救い続けた松村。震災10年目からは放置された農地の再生に格闘する。多くの農家が耕作を諦め、太陽光発電会社に田畑を貸す中、独力で米作りを再開した。避難指示の解除から7年が過ぎても、町の人口はかつての7分の1ほど。帰還した住民の多くは高齢者だ。孤独な日々を過ごす帰還者に故郷の味を届けようと、松村は孤軍奮闘を続ける。困難に立ち向かい続ける男の信念を描く。

福島原発事故の後日譚としてのドキュメンタリー番組で、いわば文学作品、放射線量がどうのこうのという無粋な単語は一度も現れなかった。

5月12日(日)21時放映 20240512NHKスペシャル

この話はドキュメンタリー映画としてマイナーに公開されたらしい。NHKの概要説明では背景がよくわからないので情報を探すと、その映画監督で現在はNHKなどを中心にドキュメンタリーや旅番組、震災関連番組のディクレクターとして活動する中村真夕氏のブログを発見。そこに少々詳しい話が書かれていたので以下に再構築させていただく。

・2011年3月、原発事故により町は警戒区域となり全町避難となった富岡町。町民全員が家を追われ、家畜は全て殺処分が命じられた。

・人がいなくなった町にはお腹をすかせた犬猫や、家畜があふれていた。そんな町に一人残った松村直登(55歳)は、殺処分を拒否した畜主から預かった牛たち約30頭ほどや動物たちに必死にエサを与え続けた。

・2013年3月、政府は警戒区域の見直しを行い、ナオトの自宅とその近くにある牧場は「避難解除指示準備区域」となり、午前9時から午後3時まで出入りが自由になった。空間線量は毎時2−3マイクロシーベルトと依然高く、「帰還困難区域」にあるナオトのもう一つの牧場の空間線量は毎時5マイクロシーベルトあり、そこにナオトは朝晩通い、牛たちの世話をしている。


状況が大部見えてきた。そこで気になるのが富岡町の残存空間線量率。2016年2月4日に「放射線量分布の現在」なる記事を書いた→こちら

そこに福島原発と富岡町の位置関係、当時の空間放射線量率の分布図などが掲載されている。まず原発と富岡町の位置関係、そしての松村直登の居住地の同定から。福島原発は大熊町に位置する(下図の13の赤丸)。その南側に位置するのが富岡町。上記のブログの記載から、氏の住居は緑色の「避難解除指示準備区域」であるから町の南部にあることがわかる。ただし、その北部の「帰還困難区域」にも毎日通っていた。
20240512福島避難区域

松村直登氏が原発事故の放射線にどの程度の認識を持たれていたのかは分からない。しかし、自らの死を覚悟してまで犬猫に餌をやるため町民全員が避難した街に一人だけ残るとは思い難い。また氏のブログには日本語の下に英文を付けていたからある程度の知識レベルの方と見られ、放射線の話を知らないわけではないだろう。一方、事故直後から富岡町にとどまっていることから原発事故による放射線量は無害レベルという知識を後日得たわけでもない。なぜ一人残った?という疑問は消せない。

さて、富岡町の放射線量はいかほどだったのか?事故から一か月半後に最初の(第一次)線量率(マイクロシーベルト/時)が公表された。事故当初の線量率はこれよりはるかに高かったと想定して良い。氏の居住地区は黄色すなわち4‐10μSv/hだったようだ。北の牧場では10‐19μSv/h。この図の表示だけから見ると高い放射線量となるが、通常の放射線量の単位であるミリシーベルトで書けば0.01-0.02ミリSv、微量と言って差し支えないれべるである。
20240512放射線分布マップ1再掲

3年半後の2014年11月の線量率分布。最初の値より半分以下に減少している。
20240512放射線分布マップ2再掲

避難指示とは生命に喫緊のリスク、言い換えると明らかな死もしくは健康体に異常が発生する確率が高いと想定された場合に発令されるものかと思う。NHKのプロデューサーがいかなる認識をしていたか分からないが、番組は町民全員避難というレベルの放射線に晒された一人の人間の人体実験の紹介でもあった。



そして13年間の経過観察で判明したことは、サンプルはひとりとは言え、何も問題は生じなかった、という不都合な真実であった。

今年の一月に「洗脳戦」なる記事を書き、新聞テレビ行政による国民の洗脳により生じた被害例の筆頭として取り上げたのが「1)福島原発避難命令にともなう災害関連死」であった。1000名を超える方々が避難先で亡くなられた。→こちら

その記事に貼った資料の一つがこちら。初出はちょうど10年前の2014年5月である。宇宙飛行士は一日当たり、1000マイクロシーベルト(=約40μSv/h)を被曝するとJAXAが明記している。
被ばく2

事実は事実であって誰が書いたかは問題ではないのだが、今年の3月の日経新聞に福島の線量率であれば健康に何の問題もないと二人の専門家が寄稿されていて、これもブログの記事にした。世に媚びることなく昂然と真実を述べられる方が少数であれ存在し、記事にする新聞があるのは日本の微かな救い→こちら
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