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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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第6回日本一行詩大賞授賞式

今日は日本一行詩協会主催、読売新聞後援の標記授賞式に出席。もちろん受賞した訳ではなく、60名ほどの出席者の一人。本年度の受賞者は歌集「夏・二〇一〇」永田和宏と句集「棺一基」大道寺将司。挨拶が角川春樹と福島泰樹、受賞者挨拶が永田氏と死刑囚である大道寺将司に代えていとこの太田氏。内容に触れられないのが残念だが、4人で一時間のスピーチが短く感じられるほど、いずれも感動のスピーチであった。
これから記すのは句集ではなく歌集の方。永田和宏の妻は歌人の河野裕子、両者とも有名な歌人らしい。彼女は2010年8月に闘病の末亡くなり、最後の歌集「蝉声」が昨年の一行詩大賞を受賞した。両書は対をなし逝く側と送る側の相聞歌である。余計なことを言わずこれらを紹介したい。

「蝉声」より
水たまりをかがみてのぞくこの世には静かな雨が降ってゐたのか
この世の夏はこんなに静かな夏だったありがとうを言ひ人を帰せり
身動きのひとつもできぬ身となりて明けの蝉声夕べかと思ふ
八月に私は死ぬのか朝夕のわかちもわかぬ蝉の声降る
死なないでとわが膝に来てきみは泣くきみがその頚子供のように
長生きして欲しいと誰彼数えつつつひにはあなたひとりを数ふ
さみしくてあたたかかりきこの世にて会ひ得しことを幸せと思ふ
手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が

「夏・二〇一〇」より
あの午後の椅子は静かに泣いてゐたあなたであったかわたしであったか
きみがゐてわれがまだゐる大切なこの世の時間に降る夏の雨
一日が過ぎれば一日減ってゆくきみとの時間もうすぐ夏至だ
われが泣けばわれの頭を抱きよせていつまでも撫で撫でやまざりき
こんなふうにきみに抱かれて泣いたことなかったよなと言へば笑ひぬ
あと五年あればときみのつぶやきに相槌を打ち打ち消して打つ
おはようとわれらめざめてもう二度と目を開くなき君を囲めり
「一緒よ」と静かにきみは撫でくれき死ぬなと泣きしあの夜の髪
たったひとり君だけが抜けし秋の日のコスモスに射すこの世の光
あっけなく人は死にたり死後といふ日のいちにちを雪が閉ざせり
わたくしは死んではいけないわたくしが死ぬ時あなたがほんとうに死ぬ

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