風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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格差を考える

木曜日の某社との飲み会で、格差問題が話題に登った。今週の日経新聞で二日間にわたり掲題の特集記事が掲載されていたこともある。得意分野だったのでつい熱弁してしまう。この特集、筆者は二人、二人目は阿部彩 国立社会保障・人口問題研究所社会保障応用分析研究部長という方で、実に冷静に問題点を指摘したうえで解決策を提案していた。曰く、日本では格差問題は貧困問題。同じ専門家でも敬服に値する専門家もいる。というので、ちと、紹介。

初日の方から。日本は格差社会か?、格差は拡大しているのか?巷間、似非評論家はいろいろ述べるが、実態は下図(同記事よりコピペ)。格差の指標として、上位0.1%の高額所得者による所得占有率を採用している。図を見れば明らかなように、日本の戦前は現在のアメリカ並みの格差社会だったが、戦後は格差が激減し、ほぼ一定の2%程度で安定している。この絶対値は先進諸国の中では小さい方である。要するに冒頭の二つの質問に対する答えは明確にNo。
20150211高額所得者所得占有率

では、日本の格差問題とは何か?これに対する答えが、阿部彩氏の、日本では格差問題は貧困問題であるという答。いくつか、切り貼りすると;
・日本の所得格差の拡大は、富裕層の拡大というよりも、貧困層の拡大によるところが大きい。
・所得が中央値の半分に満たない人の割合である相対的貧困率でみると、日本は1985年の12.0%から2012年の16.1%まで上昇した。
・社会経済階層の固定化は、日本では「貧困の連鎖」という形で表れる。貧困層に育った子どもは成人後も貧困から脱却することができず、その子どもも貧困となる。
・子どもの貧困に対する政策は、(中略)しかし、問題は財源である。
・今、日本の所得格差是正のための一番のハードルは、そのための負担を誰が担うのか、合意することである。
・16%の貧困層への給付を拡大するには、富裕層からだけの再分配では十分ではない。
・貧困の連鎖を止め、かつ社会保障制度の機能を維持するためには、中間層の人々を含めた負担増が欠かせない
・もし、日本が本当に格差の問題に取り組むのであるのならば、その政策のコストを社会全体で担っていかなければならない。

と、こんな感じ。

さて、これって、どこかで見た話だよな、ということで調べてみると、これ、昨年の12月11日の「民間給与実態統計調査」という記事(http://bb79a.blog.fc2.com/blog-entry-609.html)の話と結論はうり二つ。所得税増税の実行を推奨する記事で、こんな風に書いている。

「一方、金融資産もなく給与も低い人たちがいるのも確か。一律に所得税増税とすべきではない。で、増税のイメージが、左図の赤線。1000万未満までは現状通りで、1000万円超から増税するというマイルドな絵。このクラスでは、可処分所得が減っても預金の増え方が減るにすぎず、生活に何の影響もない。政治の主たる機能の一つが富の再分配、日本ではその意味で政治が機能してこなかった。どこぞの党の主張は部分的には正しかったわけだ。」
G4.png

阿部彩氏の論調はもっと踏み込んで5-600万円レベルまでの負担をイメージしているようだ。いずれにしろ、2か月間に書いたことと実は同じことを、安倍氏はただし専門家らしく別の切り口で述べていたものだった。記事の盗用とは言わないから大丈夫です。
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